看護師業務

静脈ルート確保が苦手な人必見!1万人の静脈ルート確保をしてきた看護師がコツを伝授

あーや

看護師3年目くらいまでは静脈ルート確保を苦手とする看護師の方も多いのではないでしょうか。

「採血はできるのに静脈ルート確保となるとできない」

「ルート確保がとにかく苦手」

「手順通りにしているのになぜか上手くできない」

そんな悩みを抱えた看護師の皆さんへ、毎日30人以上の患者さんの静脈ルート確保を行なってきた看護師が、成功するためのコツを紹介します。

ぜひ実践に活かしてみてください。

 

静脈ルート確保を失敗しないためにまずは血管選び

静脈ルート確保を行う上で、1番重要と言ってもいいのが血管選びです。

いくら針を刺すのが上手くても、針が血管に当たっても、その血管が針を留置するのに向いてない血管であれば成功率はグッと下がってしまいます。

ここは時間をかけてもいいので、良い血管をしっかり選びましょう。

良い血管を見つけるためには

まずはしっかり駆血帯を巻きましょう。すごく基本的なことですが、意外とできてない人を見かけます。駆血帯の巻き方が緩すぎては出てくるはずの血管も出てきませんし、刺入もしづらくなります。動脈が触知できる程度にある程度の強さは必要です。

しっかり駆血帯を巻いても血管が見つからない場合は、一旦駆血帯を外し、患者さんに腕を心臓より低い位置に下げてもらいます。その状態で10回程、手をグーパーグーパーとしてもらうことで、末梢血管の血液が増え、血管が出やすくなります。その後すぐに駆血帯を巻き直し、血管を探してみましょう。

夏場の冷房や冬場で患者さんの体が冷えている場合は、温安法も血管を見えやすくするために効果的です。

狙うべき血管と避けるべき血管

狙うべき血管は、真っ直ぐで、太くて、弾力のある血管です。

血管選びには、目で見るよりも触って確認することが重要です。

プニプニと触って確かめることのできる血管は弾力があるといっていいでしょう。

触れることができても弾力がなく硬くなっている血管はなるべく避けましょう。

表皮にある触れないけど目に見える血管は、一見走行も確認しやすく刺しやすそうに感じるのですが、意外と細かったり脆かったりすることが多いです。

自分の指で患者さんの血管に触れながら太さ、走行、弾力性を判断しましょう。

太く弾力があても曲がっている血管は避けましょう。採血の場合は血管に針が当たりさえすればできますが、ルート確保の場合は針を留置しなくてはなりません。留置する針の外筒の長さと、留置しよとしている血管の長さを比べ、確実に外筒の長さ分、真っ直ぐな血管にします。

また、刺入部はなるべく末梢側にします。これは仮に失敗した場合、同じ血管の抹消側が使えなくなってしまうからです。特に前腕全体にしっかりした血管が1本長く走っている場合などは、下側で失敗したとしても、次に同じ血管の上側を穿刺することが可能なので、そのような場合は下側から攻めていきましょう。

ただしいくら抹消側と言っても、手背は痛みを感じやすく入院生活に支障も出やすいので、どうしても他にない場合のみにしておくのが良いです。

最もおすすめする穿刺部位は、2つの血管が合流する分岐部位です。この部位は穿刺の際に血管が逃げにくく命中する確率が高いです。

なかなか血管が分かりづらい患者さんに対しては、患者さん本人に聞いてみるのもありです。慣れている患者さんは毎回どこで刺されているのか、どこが成功しやすいのか教えてくれることもよくあります。

最後に、いくら良い血管でも神経付近の血管は避けてください。私自身、患者さんに対して神経損傷を起こしてしまったことがあります。危ない場所とわかっていながら、患者さんにどうしてもここがいいと言われ穿刺した結果、痺れの症状が出てしまいました。幸いすぐに症状は改善し、大事には至らなかったのですが、自分自身とても怖く、ショックでした。患者さんはもちろん、自分自身を守るためにもリスクのある行為は禁物です。

穿刺時の4つのコツ

穿刺部位が決まれば、いよいよ実際に針を刺します。針を刺す際のコツを見ていきましょう。

自分の立ち位置は刺入方向に真っ直ぐな位置

まずは患者さんの体位、自分のポジションを決めます。患者さんの体位に関わらず、看護師は血管に対して正面の刺入方向に真っ直ぐな位置に立ちます。患者さんが車椅子に座っていたりベッドに臥位になっている場合は、腕の角度を調整したり、車椅子やベッドの角度を調整するなどして協力してもらいましょう。

血管に向かって横方向や斜め方向から刺すとなると難易度がグッと上がります。特殊な事情がない限りやめておきましょう。

血管を逃がさない

穿刺部位が決まりポジションが確保できたら、利き手と反対の手で血管が逃げないようにおさえます。穿刺部位より3−4cm程下側を親指で軽くおさえます。ここで上手くおさえきれてないと針の刺激で血管が逃げてしまうことになります。

針の角度に注意して恐れず自信をを持って穿刺

穿刺時は30度の角度でとよく言われますが、血管の深さによって変えていかなければなりません。皮膚の表面の浅いところにある血管に対して30度も角度をつけていては、きっと血管を突き抜いてしまうでしょう。まずは、採血と同様に針先を血管に入れるイメージで角度を決め刺入していきます。

穿刺の際、はじめは緊張すると思います。苦手意識があれば尚更でしょう。だからといって恐る恐る穿刺するより、私の経験上、大丈夫と自信を持ちある程度の勢いで穿刺した方が成功率は上がる気がします。

針先が血管を突き破らないように

静脈ルート確保の手技はここからが本番です。針先が血管の中に入ったことが確認できたら一旦息を整えてください。そのままの角度で進めてしまうと血管を突き破ってしまうので、逆血があったらすぐに刺入を止めそのまま針を皮膚と平行に寝かせます。その状態で2−3mm内筒を進め、その次に外筒だけ進めていきます。

ここまでできれば、あとは手順通りに内筒を抜き針を留置していきましょう。

最初は難しいかもしれないが練習あるのみ

最初からできる人なんていません。私も数え切れないほど失敗を重ねてきました。採血に比べ何段階も難易度がアップしたように感じました。そんな私でも今は自信を持って静脈ルート確保を行なっています。

最初は、ただ闇雲に回数を重ねるのではなく、手順やコツをしっかり頭に入れ、失敗した時になぜできなかったのか振り返りを行なってください。これを繰り返せば必ずできるようになります。

もし同じ患者さんに対して2回失敗した場合は、他の看護師に依頼しましょう。成功させたい気持ちはわかりますが、患者さんの負担にもなりますし、何度も刺すことで良い血管がなくなってしまってはなりません。ルート確保に慣れているベテランの看護師ができなかったのに、他の看護師に代わると一発でできたというように、相性もあります。

経験を重ねていけばできるようになるので、焦らず落ち着いて臨んでください。

まとめ

静脈ルート確保成功に向けた第1歩は良い血管選びです。

真っ直ぐ、太く、弾力のある血管を選んでください。

穿刺の際のコツは、

・自分の立ち位置

・血管を逃さない

・穿刺の角度

が重要です。

ぜひ今回紹介したコツを意識しながら、静脈ルート確保を行ってみてください。

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